グルココルチコイドとミネラルコルチコイドレセプターの脳内分布

Glucocorticoid receptors and mineralocorticoid receptors in the brain.

副腎皮質ホルモンであるコルチコステロイドの脳に対する作用についてまとめた。コルチコステロイドは脳内のグルココルチコイドレセプターとミネラルコルチコイドレセプターと結合してその作用を発揮する。グルココルチコイドレセプターとミネラルコルチコイドレセプターはとくに海馬領域において豊富に分布しており，同一細胞に共存している場合もある。血液中のコルチコステロイド量が変動すると，海馬にさまざまな影響がでる。とくに老化に伴う変化は著しいものがある。コルチコステロン／コルチゾールの高いストレス環境下では，よりグルココルチコイドレセプターがその親和力によって重要な働きをなすこととなるが，グルココルチコイドレセプターとミネラルコルチコイドレセプターの両レセプターの相互関係について今後の研究の展開が待たれる。

There are two types of adrenal steroid receptors in the mammalian CNS type I and type II. Type I receptor, also called mineralocorticoid receptor (MR), has high affinity for corticosterone/cortisol, while aldosterone is a competitive agonist. These receptors are localized mainly in the dentate gyrus granule cells and pyramidal cells of CA1 and CA2 in the hippocampus and to a lesser extent in thalamus, brain stem, cerebellum and spinal cord.