泌尿器科領域に於ける新抗菌性ニトロフラントインの尿路感染症の使用経験

THERAPEUTIC EXPERIENCES WITH A NEW CHEMOTHERAPEUTIC NITROFURANTOIN FOR URINARY TRACT INFECTIONS IN UROLOGICAL PRACTICE

Ⅰ．緒言

　曩にFuradantinを泌尿器科領域の主として尿路感染症に対する臨床経験として，その100mg錠剤を使用した結果を報告した。即ち26例中24例に有効であつた。その概要は，第1群抗生物質感受性試験の結果……0のもの10例フラダンチン投与後尿中細菌培養の結果｛陰性になつたもの8例｛大腸菌…5変形菌…3陽性のもの2例｛大腸菌…1変形菌…1第2群尿路感染症の新患（他の化学療法剤が未だ有効なもの）……16例フラダンチン投与後尿中細菌培養の結果｛陰性になつたもの16例｛大腸菌…12球菌…4陽性のもの0の如き成績であつた。

　然しそのうら悪心，嘔吐等の副作用のあつたもの9例（34.6％）で中には1例であるが服薬を中止したものもあつた。