Japanese
English
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皮膚科領域における6α-methyl-prednisolone使用経験
MEDROL (6α METHYLPREDNISOLONE) IN THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
笹川 正二
1
,
古谷 達孝
1
,
佐藤 允康
1
,
花井 定彦
1
,
小田切 久男
1
,
石原 文之
1
,
千木 吉睦
1
,
鳥居 ユキ
1
S. SASAGAWA
1
,
T. FURUYA
1
,
N. SATO
1
,
S. HANAI
1
,
N. ODAGIRI
1
,
F. ISHIHARA
1
,
Y. CHIGIRA
1
,
Y. TORII
1
1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
1Dermatological Department, Branch Hospital of the University of Tokyo
pp.599-605
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202575
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1.緒言
戦後,Hench,Kendal等の努力によりCortisoneが出現し,各種疾患に使用された結果,アレルギー性疾患,膠原病,リユーマチス性疾患等に著効を奏することが判明,今日これら諸疾患の治療成績が飛躍的に向上し,従来の治療法を著しく変革したことは周知の事実である。特に皮膚科領域ではこの感が深く,Cortisoneは皮膚科領域では欠くべからざるものといつてよい。Cor-tisoneの治療効果はCortisoneの有する糖質代謝作用(Glucocorticoid作用)就中,抗炎症,抗アレルギー,抗リユーマチ性作用にもとづくと解されて居る。しかし乍ら,本剤を長期連用すると副作用として鉱質代謝作用(Mineralocorticoid作用),即ちNa蓄積,K過剰排泄による浮腫,高血圧症が略必発し,又糖質代謝作用の副作用として肉芽形成不良,創傷治癒遅延,各種代謝障碍,特に肥満,満月状顔貌,痙瘡様発疹が時に出現し,尚又時に精神障碍の発生が注目されるに至り,これがためにCortisoneの抗炎症,抗リユーマチ,抗アレルギー作用は之を保持又は向上せしめ,Mineralocorticoid作用を低減すべく種々の努力がなされ,その結果,Hy-drocortisone,Prednisolone,Prednisone等が出現し,現在臨床的に盛んに使用されて居る。
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