Japanese
English
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皮膚科領域におけるネオメドロール(Neo-Medrol)軟膏使用経験
NEO-MEDROL OINTMENT IN THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
笹川 正二
1
,
古谷 達孝
1
,
佐藤 允康
1
,
小田切 久夫
1
,
石原 文之
1
,
千木良 吉睦
1
,
鳥居 ユキ
1
,
上条 朗子
1
S. SASAGAWA
1
,
T. FURUYA
1
,
N. SATO
1
,
H. ODAGIRI
1
,
F. ISHIHARA
1
,
Y. CHIGIRA
1
,
Y. TORII
1
,
R. KAMIJYO
1
1東大分院皮膚科
1Dermatological Department, Branch Hospital of the University of Tokyo.
pp.973-979
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202936
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コーチゾンに始まつた副腎皮質ホルモンの皮膚科領域における応用はその著しい抗炎症,抗アレルギー作用により各種の皮膚疾患に於て治療の新生面を開拓したが,一方副作用としてNa蓄積,K過剰排泄による浮腫,高血圧,各種代謝障害,特に満月状顔貌,痤瘡様発疹,肉芽形成不良,創傷治癒遅延,精神障害の発生が認められ,副作用の少い,而も効果の優れた製剤の研究がなされてハイドロコーチゾン,プレドニソン,プレドニソロン,メチルプレドニソロン,トリアムシノロン,デキサメサゾン等が出現し,現在に及んでいる。之ら副腎皮質ホルモンの使用法は内服を主としていたが,ハイドロコーチゾンが軟膏として外用しても抗炎症,抗アレルギー作用の著しいことが知られて以来,外用療法の研究が進みハイドロコーチゾン,プレドニソロン,メチルプレドニソロン,トリアムシノロン,デキサメサゾン等,その構造式のC11位にOH基を有するものはその外用によつて何れも強い抗炎症作用を示すことが知られ皮膚科領域で使用され,特に外用療法として使用された場合に注目すべきことはその作用が局所のみに止まるため,内服に際して現われる各種の副作用を全く見ぬことは特筆すべき長所である。そして唯一の欠点はその使用により病集局所の細菌が増殖することであつたが,抗生物質を併用することによつてこの欠点も除かれるに至つた。
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