Japanese
English
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尋常性乾癬,脂漏性湿疹(皮膚炎)並びに掌蹠膿庖症に対するTriamcinolone,アセチルサリチル酸併用療法
THE TREATMENT OF PSORIASIS VULGARIS, SEBORRHEIC DERMATITIS AND PUSTULOSIS PALMARIS ET PLANTARIS WITH TRIAMCINOLONE, COMBINED WITH ACETHYL SALICYLIC ACID
古谷 達孝
1
,
花井 定彦
1
,
鳥居 ユキ
1
T. FURUYA
1
,
S. HANAI
1
,
Y. TORII
1
1東大分院皮膚科
1Dermatologic Section of the Branch Hospital of Tokyo University
pp.1047-1052
発行日 1960年12月1日
Published Date 1960/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202954
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I.緒言
尋常性乾癬は日常その治療に当つて困難を感ずる疾患であり,従来全身療法として減脂肪食餌法,砒素,金,蒼鉛剤,ビタミンD2,冬眠麻酔剤,BAL,チスチン,乾癬ワクチンの注射或は内服が行われ,局所療法としてはクリサロビン,ピロガロール,Riasol,タール剤等が使用されているが,そのいずれの治療成績も必ずしも吾々を満足せしめるものではない。近時外用療法たるゲッケルマン療法が小堀らにより再認識され,可成り有効であると報告されているが,その術式は余りにも煩雑で,外来的に毎回実施し得るものではなく,その治療成績も亦今一歩の感がある。
炎症性,アレルギー性皮膚疾患に驚異的卓効を示し,皮膚科領域でこの種疾患に際して今日必須欠くべからざると見做されているCortisone,Prednisolone等の副腎皮質ホルモンも尋常性乾癬の治療については悲観的見解が表明されている。即ちFergusonら,BaerらはCortisoneによる尋常性乾癬の治療成績は甚だ不満足なものがあるといい,本邦でも谷奥はCortisoneの各種皮膚疾患に及ぼす影響についての論著において,自験例並びに内外の報告を総括して,尋常性乾癬に対するCortisone療法は効果不定,或は一時的の軽快を見るにすぎないと述べている。
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