学会印象記
日本泌尿器科学会第26回東部連合地方会見聞記
川井 博
1
1日本医科大学
pp.984-985
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203178
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第26回東部連合地方会は山紫に水清き学の都・仙台において10月6・7日の両日に亘つて会頭宍戸仙太郎教授の下に催された。泌尿器科学会が仙台で開かれたのは実に24年振りの事で,東部連合学会に所属する関係大学はもとより遠く南は鹿児島の岡元教授,熊本の楢原教授,広島の加藤教授,京都の稲田教授も参加されて一般会員の数も多く極めて盛会であつた。森の都仙台は戦災後街の様相は一変してメインストリートには高層ビルが立並び,昔の仙台を知る者には,その発展の目ざましさに一驚された事でしよう。
10月6日。学会第1日。午後1時から松島観光が行われ,天下の景勝を遊覧船で辿つて旅の疲れを水に流した後,午後4時から東北大学医学部中央講堂を学会場にして—前立腺肥大症に関するシンポジウム—が催された。司会は東大市川教授。講師は千葉大学百瀬教授,慈恵医大南教授,北大辻教授,東医歯大学落合教授,札幌医大高井教授の5名。各教授とも日頃手掛けている肥大前立腺剔出法について100例以上の豊富な経験をもとにopen surgeryの細部に亘る手技,臨床経過,手術の適応等について多数のスライド或は映画を以て明解に論述された。百瀬教授は恥骨上式剔除術について手術前後の腎機能,血圧,心電図,血中電解質等の詳細なデーターにもとずいて.この術式はpoor riskの患者にも施行し得,且つ合併症としてレ線等で描出し得ない膀胱癌の発見と処置を同時に行い得る利点があると強調された。
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