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Onocaine Jellyによる尿道麻酔法
稲田 務
1
,
後藤 薫
1
,
日野 豪
1
,
片村 永樹
1
1京都大学医学部泌尿器科教室
pp.103-106
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201630
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緒言
泌尿器科領域に於ける膀胱鏡検査,尿道拡張術(ブジー)等の経尿道的操作に対しては尿道麻酔,仙骨麻酔,腰椎麻酔及び全身麻酔等が用いられ,時には無麻酔にて施行される病院もある如くである。患者に苦痛,不快感を与えず,確実なる診断及び充分なる治療を施す為には,完全なる麻酔下になされるのが最も望ましいのは当然である。この目的に前記の腰椎麻酔,全身麻酔は完全なる麻酔を得られるが,特殊の操作を要し日々多数の患者を診療する外来に於ては,実施困難であり実用的でない。依つて我々の教室に於ては現今迄約33年来2〜3%Procaine液による仙骨麻酔法を用い,略々満足すべき麻酔効果を得て来た。然し一般には仙骨麻酔法すら其の手技に熟練を要する為か余り用いられず,尿道麻酔法が広く用いられて来ているようである。我々の教室に於ても仙骨麻酔注実施困難な場合には2〜3%Procaine液による尿道麻酔法を応用する場合もあつたが,その効果は仙骨麻酔法に比し著しく劣るのが通例であつた。一方尿道麻酔法は最も簡便に使用される関係上,その藥剤,方法に就て古くより研究,改良が行われて来ている。
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