Japanese
English
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皮膚疾患に対するハイスタミンの効果
TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES WITH HY-STAMIN
江本 侃一
1
,
字都宮 貞俊
1
,
兵頭 定一
1
Kanichi EMOTO
1
,
Sadatoshi UTUNOMIYA
1
,
Teiichi HYODO
1
1徳島大学医学部皮泌科教室
1Department of Dermato-Urology, Tokushima University
pp.619-623
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202578
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はじめに
Bovet & Staub (1937)にはじまる抗ヒスタミン剤の合成発展はまことは目覚ましいものがあり,現在までに各種の抗ヒスタミン剤が続々と登場して来た。本剤は末梢性の抗ヒスタミン作用を持つため,臨床的応用は極めて広いが,現在ではむしろ抗ヒスタミン作用以外の薬理作用,他の薬剤との配合などの面にも努力が注がれている。アレルギー機序に於けるヒスタミンないしアセチールコリンの関与は衆知のことであり,抗ヒスタミン剤はこれらが組織と結合するのを妨ぐことによつてアレルギー症状を消失させると考えられ,皮膚科領域に於ても主としてアレルギー疾患に賞用されている。今回私共が使用したハイスタミン(エーザイKK)はアミノエーテル類に属する抗ヒスタミン剤の1つであり,極めて強い抗アセチールコリン作用を持つといわれる。本剤については既に平井,神村,鶴見などの諸氏の治験報告に接するが,最近私共もアレルギー性皮膚疾患23例に用いる機会を得たので,取敢えずその成績を報告し,2,3の小実験を付加することにする。
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