Japanese
English
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アドゾンVによる皮膚疾患の治験
TREATMENT OF DERMATOSES WITH ADOZON-V
横関 猛
1
,
小泉 雄一郎
1
Takeshi YOKOZEKI
1
,
Yuichiro KOIZUMI
1
1虎の門病院皮膚科
1Dermatology Clinic, Toranomon Hospital
pp.508-510
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202835
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I.緒言
1)1937年Derouaux & Roskam1)は,初め,交感神経興奮性薬物アドレナリンの止血性について研究した結果,その作用が,注射直後でなく,15分後から6時間も続くことから,これはアドレナリンそのものの血管収縮作用によるものでなく,その変化したもの,即ち,生体内で酸化されて生じたアドレノクロームとアドレノキシンに依るとした。前者は交感神経興奮作用を有せず,また後者は血管拡張作用を有するものである。このアドレノクロームの作用についてはその後,種々知られてきたが,そのうち主なものを列挙すれば次の通りである。即ち,その呈する止血作用の機転は,凝血因子に関係せず専ら血管因子に働らくもので,主として1.毛細血管抵抗性増強(Pre-vost2),1947;Herve3),1947)2.血管壁透過性抑制作用の2者によるものとされており,その他にも3.糖代謝賦活作用(Contamin,1949)4.ストレス緩和作用(ACTH分泌作用)(Vidal et Ri-has,1952)などが挙げられている。なお,アドレノクローム自体は不安定であるが,これにセミカルバザイドを結合することにより,安定なアドレノクロームモノセミカルバゾンを得る(Braco-nier4),1943)。この間の過程を構造式で示せば:
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