--------------------
2,3の皮膚疾患に対するV.B6の治験
佐渡 博
1
,
伊佐早 裕子
1
1京都大学医学部皮膚科教室
pp.296-300
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201421
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
VB6は白鼠のペラグラ様皮膚炎を予防,治癒せしめるビタミンとしてGyörgy(1934)により発見され,その作用機序に関してCale其の他により,各種アミノ酸の酸化合成に与る補酵素として蛋白代謝に密接な関係を持つ事,脂肪代謝との間に相互作用のある事,植物神経,上皮細胞の機能を促進し,皮膚及び粘膜の新陳代謝を良好にし,アレルギー性反応を抑制する事,毛細血管運動神経の機能を促進する事,B6欠乏により抗体産生が抑制され,又トリプトフアン中間代謝に異常を来す事等が知られる様になつて来た。
皮膚科領域に於いても,B6は抗アレルギー性ビタミンとしてアレルギー性疾患,殊に湿疹様疾患,皮膚炎,蕁麻疹,其の他痤瘡等の治療に用いられ,然もB2,ニコチン酸アミド投与で無効の口唇炎,舌炎,口角糜爛症,眼,鼻,口周辺の脂漏性湿疹等に著効を示した報告もあり,その適用範囲は可成り広汎と考えられる。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.