Japanese
English
皮膚科図譜・100
Pustulosis acuta variolifromis(痘瘡状急性膿疱症)
UN CAS DE "PUSTULOSIS ACUTA VARIOLIFORMIS"
山田 瑞穂
1
Mizuho YAMADA
1
1市立宇和島病院皮膚科
1Cliniquc Dermatologiquc de l'Hoipital Municipal d'Uwajima
pp.752
発行日 1959年8月1日
Published Date 1959/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202604
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患者:田〇礼〇,6歳,女児。
生後1年半頃麻疹に罹患し,引き続いて全身に湿疹を生じ,あちこちの医師から治療を受け(Cortisone等),一進一退を続け治癒に至らず,経済的にも万策尽きて3ヵ月前に来院した。文字通り全身に湿潤性の発疹を生じ,殊に顔面,胸部ではほとんどが糜爛面となり,頭髪は発症以来男の子の様に丸刈りにしているがなお湿潤で,腋窩・頸部も糜爛が甚だしい。Predonin軟膏,硼酸亜鉛華軟膏,抗ヒスタミン剤,V. B2,B6等各種ビタミン,肝臓庇護剤等を使用したが軽快せず,Cortisoneを投与すると軽快するが止めるとすぐ悪化した。意を決してPredoninの長期使用(1ヵ月余)を行い,これにVit. Dを併用及びPredonin一時休止時に使用し,漸次湿潤部は乾燥し,紅斑も減退,掻痒も軽快した。ほぼ治癒に近くなつた時,突然,先ず顔面及び躯幹に数個の小水疱を生じ,2,3日のうちに全身に小豆大乃至大豆大の水疱を生じ,臍窩を有し,あたかも真性の痘瘡の様な発疹となり,2,3目で乾燥するが,更に後から後から発疹を生じた。写真は発疹を生じて5日目で,数の上では最盛期で,発疹としては大部分は乾燥し,痂皮を形成しつつあるものもあり,最近に生じたものは臍窩を有する膿疱である。PredoninとAchromycinを使用し,1週間でほぼ軽快,20日余で痂皮も落ちて全く治癒した。
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