Japanese
English
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皮膚科領域におけるパント錠の使用経験
EFFECT OF PANTO-TABLET ON DERMATOLOGICAL AREA
坪井 尚
1
,
中野 進
1
H. TUBOI
1
,
S. NAKANO
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Derrnatology, Kyusyu University Medical College
pp.289-293
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202512
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はしがき
パントテン酸の作用に関しては現在なお充分に解明されていない点もあるが,補酵素Aの基本成分として糖質,脂質,蛋白の各代謝に関与し,さらにエネルギー生産,ホルモン,血色素など生体必須物質の合成,また解毒,神経刺激伝導などの生体の基本的な諸機能にも関係しているといわれている。その結果疲労の回復,副腎の強化,肝臓の強化,抗体生成の促進などの作用が認められている。パントテン酸の欠乏が動物実験において惹起する症状は,成長の停止,副腎皮質の変化,神経障害などであるが,さらに肝臓疾患,糖尿病,腎疾患,動脈硬化症などとの関係も考えられている。
パントテン酸は体内に広く分布しているが肝臓にもつとも多く,大部分は結合型で存在する。またパントテン酸の吸収は消化管より行われ,主として肝臓で補酵素に合成される。一方腸内細菌により合成されるものもあるといわれているが,その詳細は不明である。
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