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口内錠Oradolの使用経験
中村 文雄
1
,
水越 治
1
,
梁川 吉彦
1
,
菅原 基夫
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.1005-1007
発行日 1960年11月20日
Published Date 1960/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202570
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I.緒言
最近,医学の進歩に伴い,薬剤の家庭への滲透,医薬に対する大衆化は著しいものがあり,含嗽の代りとして,口内殺菌錠を日常生活に使用する事も次第に頻繁になる状態である。それ故,現在我々家庭の常備薬に対し,医学上真に有効なものであるか否かを検討し,此等に就いて,我々はもつと積極的に働きかけ,適切な指導と管理をなすべき段階に来ているのではないかと考える。
この様な意味の元に,最近,口腔,咽頭,喉頭の細菌性疾患及びカンディダ症に使用されている種々の口内錠の一つとして,Oradolを取り上げ,口蓋扁桃剔出術後,及びアフタ性口内炎に使用し,若干の成績を得たの報告する。
Oradolは,β-phenoxy-ethyl-dimethyl-dodecyl ammonium bromideを0.5mg含み,円形白色,甘味なハッカ性を有し,口腔中に含んで溶解し,患部に有効成分を作用せしめる錠剤である。Oradolの細菌発育阻止濃度及び殺菌濃度(ブイヨンに於ける)は,サルファ剤及び其他の抗生物質と殆ど変る所はなく,Candida albicansに対しても,可なりの効果を期待出来る様である。
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