Japanese
English
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泌尿器科領域に於ける複合ブスコパンの応用
SOME CLINICAL USE OF "BUSCOPAN" IN UROLOGICAL FIELD
石神 襄次
1
,
山本 治
1
,
加古 賢
1
Joji ISHIGAMI
1
,
Osamu YAMAMOTO
1
,
Satoshi KAKO
1
1大阪医科大学皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Osaka Medical College
pp.21-23
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202454
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1.緒言
ヒヨスチン-N-ブチルブロマイド(ブスコパン)はスコポラミンより合成された第四級アンモニウム化合物の一つとして,各臓器の痙攣に対しアトロピンと同様の鎮痙作用を示し且つアトロピンの如き各種の中枢性及び末梢性の副作用を欠く事から広く各科領域に於て鎮痙剤として応用されている事は周知の事実である。我々も本剤の副交盛神経遮断剤たる点も考慮に入れて,各種の尿路系疾患に応用し,疼痛緩和特に疝痛発作の緩解に極めて有効であつた事は既に報告した如くである。又その際我々は本剤のみでは効果が差程顕著でない場合もあるが,その他の鎮痛剤を併用する事によつて鎮痛効果は極めて著明に強くなり,その場台鎮痛効のみ使用した場合に比し少量で充分であり,副作用の点から考えても両者の併用が望ましい事を指摘しておいた。今回は此の理論に合致したと考えられるブスコパンに鎮痛剤たるスルピリンを配合せる複合ブスコパンによつて各種泌尿器疾患の治療を試み,各々に予期通りの結果を得たので茲に報告する。
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