Japanese
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特集 老人の皮膚泌尿器疾患
ホルモンに関係ある老人性皮膚病変
KERATODERMA CLIMACTERICUM AND PRURITUS SENILIS
安田 利顕
1
T. YASUDA
1
1関東逓信病院皮膚科
1Dermatological Department, Kanto Teishin Hospital
pp.1365-1371
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202433
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高年者程皮膚は菲薄であり,弛緩いていて,シワが多くなつてくることは衆知の通りである。且つ皮膚は乾燥して,鱗屑が認められる。その上,色素沈着,紫斑,毛細血管拡張などの病変と共に,老人性疣贅(近年Seborrheic Keratosisなる名称もあげられている),老人性角化症,老人性血管腫などの形態学的変化を発生いてくる。これらの発生には,先天的素因,あるいは遺伝的関係が関与していることは勿論であるが,外因の環境的因子もまた重視しなければならない。Seeman'sskin,あるいはFarmer's skinとして知られている項部菱形皮膚は,一種の皮膚萎縮であるが,この適例である。
他方,皮膚老化の成因といて内分泌的因子を無視できないことは,下垂体機能低下による下垂体性侏儒症(Hypophyseal Dwarfism)竝にPro-geriaにおいて皮膚は乾燥し,弛緩いて,シワが多くなり,また多産婦に多くみられる下垂体前葉破壊に起因するシモンズ氏病(Simmond's dis-ease)の皮膚は蒼白で,乾燥し,光沢,緊張を失い,菲薄になつてシワの多い老人性皮膚所見と類似していることからも知られる。
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