Japanese
English
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オバホルモン・デポーにより惹起された皮膚病変について
ON SKIN LESION BY THE OVAHORMON DEPOT INJECTION
林 敢為
1
Kani Hayashi
1
1久留米大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine
pp.1007-1009
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202095
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緒言
皮膚科領域において,性ホルモンと関連して出現する皮膚病変としては,例えば皮脂腺の増殖,機能亢進,角質肥厚,発毛現象等があげられている。殊に更年期およびその前後に発生する各種皮膚病変,尋常性痤瘡,陰部瘙痒症,乳房湿疹,あるいは性器とくに卵巣機能,月経週期に関係して発生する皮膚病変にたいして女性ホルモンが有効であることが知られている。しかしながら他方において性ホルモン使用による副作用の発現することも知られている。この点にかんしてはZondekand Bromberg(1945)によりステロイドホルモンによるendogenous endocrine allergyなる現象が提唱せられるに至り,爾来,Bear,Heckel,Pepysにより注目され,わが国においても安田氏により力説されてきた。又一方,Phillips(1949)がプロテオホルモンである性腺刺戟ホルモンによるアレルギーを報告したが,わが国においても香西氏によりすでに報告されている。
最近,わたくしはオバホルモン・デボー投与により著明な皮膚病変の発現をみた症例を経験し,endocrine allergyにつき,いささか知見をえたのでこゝに報告することとする。
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