Japanese
English
特集 老人の皮膚泌尿器疾患
老人病の病態生理
Pathophysiologie of Geriatrics
田坂 定孝
1
Sadataka TASAKA
1
1東京大学田坂内科
1Dept. of Tasaka's Internal medicin, Tokyo University
pp.1329-1335
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202429
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
老人の各種の病態について,その個々のものは必らず全身の状態をその基礎にもち,又全身の状態はその個々の現象に影響されている事は云う迄もないことであり,皮膚の病変が老人と云う全体的な特殊性の上に更に加わつた変化として考えられねばならない事は明らかである。現在では老人の疾病についてたまたま老人になつて起りやすい病気について詳細に知る事から発して,出来得るならばその様な結果を生ずる老人なるものの本質的な変化を追求するべき段階に入つて来ているが,今の所老人になると云う事,即ち生理的な老化現象の本態は明確に把握されるには程遠い状態である。
老化現象の本態:嘗ては古典的な意味で内分泌系や神経系或は循環器系等が夫々老化現象の本態を担うものであるとされたが,その当時理由として拳げられたものはほとんど根拠のないものと判明し,現在では次第に細胞並びに組織に於ける一般的な経年変化が重視されて来ている。例えば次の如きものが未だ明確なる原因を有さない老化現象として挙げられている。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.