Japanese
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特集 老人の皮膚泌尿器疾患
老人性皮膚疾患
SKIN DISEASES IN THE ELDERLY
伊崎 正勝
1
Masakatsu IZAKI
1
1岩手医科大学
1Department of Dermatology, Iwate Medical College
pp.1336-1345
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202430
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社会生活の改善,治療及び予防の両面に於ける医学の目覚しい進歩と共に私共日本人の平均寿命は戦後10数年の短期間内に著しく延長し,昭和30年には出生時平均年齢が男63.45年,女67.47年程度となり,遠からずして70歳代に達しようとしている。出生率も著しく低下してきており,我が国の人口構成は従来と違つたものとなつて来た。即ち,既に昭和30年の60歳以上の人口の全人口に対する割合が昭和22年に8.18%程度であつたのが18.68%と2倍以上に飛躍し,渡辺は寿命が長くなる場合には60歳以上が人口の20〜25%を占めるのがむしろ当然であろうとさえ述べている。黒田によれば日本の全労働人口中の高年者の労働力率は過去5年間に漸次増加の傾向にあり,60歳以上の老年者も近い将来に引き続き労働生産人口に多く繰入れられなければならないと考えられるとの事である。
外来での総患者数に対し高年者の占める割合は(第1表)未だそれ程高いとは云えないが,斯様に老年者が社会的にも経済的に上も人口構成上重要な部門を占めつつあるのを見る時,その健康保全に留意し,老年者の疾病に対して考慮を払う事は当然の事乍ら,私共の関心の大いに赴く処であろう。
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