Japanese
English
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更年期性皮膚疾患の研究—第1報統計的観察
THE STUDY ON CLIMACTERIC SKIN DISEASES.1 st Report : Statistical Observation.
高瀬 吉雄
1
,
阿部 羊一郎
1
,
木村 国夫
1
Yoshio Takase
1
,
Yoichiro Abe
1
,
Kunio Kimura
1
1東京医大
1Dept.of Dermatology, Tokyo Medical College.
pp.961-966
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202085
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緒言
女子が成熟期より衰退期への生物学的移行期である更年期に達するのは通常42〜52歳の間であるとされ,性器の漸次萎縮するのみでなく全身的にも種々の特異症状を現わすことが多く,所謂更年期症状である。是は総括して交感神経過敏状態と称せられるもので,1)顔面灼熱感或は発赤症,肩張り,眩暈,頭痛,頭重感,四肢冷感或は動悸等の主として末梢循環障碍,2)食思不振,胃部膨満便秘時に下痢又は是等の交代症状等の胃腸障碍,3)精神不安定憔燥感,視力減退,記憶力減少等の中枢神経症状の3群に分られる。是等は主として婦人科領域の問題として扱われ来たつたが,近時皮膚科域に於いても注目せられ論議せられる様になつた。最近の文献より主なものを表示すると次の如くである。
安田博士1)は何らかの意味で更年期症状を伴つてあらわれる直接的な病変と,この時期に当然招来される皮膚の過敏状態を準備性として他の年代よりもよりあらわれ易い疾患の2群に分類した。即ちA)更年期皮膚病変(皮膚症状は症候群,原因不明,症状の相違は個体差)
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