Japanese
English
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2,3の皮膚疾患に対するプレドニゾロンの治験例—(肝,腎機能と皮質ホルモン副作用の関連性に就いての第1報)
PREDONISOLONE IN THE TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES.
高瀬 吉雄
1
,
阿部 羊一郎
1
,
辻 哲夫
1
,
園田 節也
1
,
廻神 輝家
1
,
木村 国夫
1
Yoshio Takase
1
1東京医科大学皮膚科教室
1Dept.of Dermatology, Tokyo Medical College
pp.249-255
発行日 1958年3月1日
Published Date 1958/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202205
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I.序言
皮膚科領域に於けるコーチゾン及びハイドロコーチゾンの優れた治療効果はこれをあらためて言うまでもない。しかし,又一方では此等薬剤の副作用,就中長期連用を必要とする系統的全身的疾患に於いて屡々好ましからざる高血圧,浮腫,満月状顔貌,脂肪沈着及び抗シヨツク性低下等治療中の副腎皮質ホルモン過剰および治療中止後における副腎皮質機能衰退に基づく諸症状が発生し,為に往々にして治療中止の止むなきに至るのみならず時には生命の危険にも遭遇する事がある。
従つて此等の欠点を除去すべく各種の新らたなるステロイドホルモンが登場して来た。(第1図)プレドニソロンは其の一つで,これはハイドロコーチゾンのA環の1,2の位置の水素を脱水素した化学構造式をもつ誘導体である。このもの,抗アレルギー作用はハイドロコーチゾンに比べ3〜4倍強力であるが,塩類代謝作用は大体両者同程度であると言われている。この為に成人1日使用量もコーチゾン,ハイドロコーチゾンの1/3〜1/4,即ち通常20mg〜15mgが用いられ,用量が少いために塩類代謝作用に起因する副作用は通常の用量では殆んどないと云われている。
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