Japanese
English
特集 婦人の皮膚泌尿器科疾患
更年期皮膚疾患
CLIMACTERIC SKIN DISEASES.
高瀬 吉雄
1
,
廻神 輝家
1
Yoshio TAKASE
1
,
Teruie MEGURIKAMI
1
1東京医科大学皮膚科
1Dept. of Dermatology, Tokyo Medical College.
pp.963-970
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202645
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I.緒言
女子が40〜50歳の更年期又はそれ以後に,全身的に種々の特異症状を現わすことが古くより知られている。これは更年期症状又は障害と呼ばれて,広義の血の道症又は自律神経症の1として従来は主に婦人科領域の問題として扱われ,皮膚科の対象とは余りならなかつた。
ちなみに皮膚科領域で始めて論じたのはBroo-ke11)(1891)で,彼は神経症状を伴う女子の掌蹠の乾燥,限局性の角質肥厚を報告し,これを更年期と関連ありとした。後にHaxthausen2)(1934)は同一症状と思われる10例を報告,女子の更年期症状,とくに肥満,高血圧症又は関節炎と併発することに注目して,Keratoderma crimacte-riumと命名した。Barber3)(1946)はmeno-pausal areaなるものを想定し,これに陰部,臀部,乳部,腋窩部,肘窩,頂部,側頸,眼瞼,顔面中央部,手掌及び足蹠を含めた。それらの部位には更生期又はそれ以後に乳嘴腫,神経皮膚炎限局性多汗症,Fox-Fordyce症,更年期角皮症(Haxthausen),脂漏性皮膚炎,湿疹及び尋常性乾癬が好発するとし,更に次の如き分類を試みている。
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