Japanese
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ヂエチールヂチオカルバミン酸亞鉛の皮膚真菌症に対する治験
TREATMENT OF DERMATOMYCOSIS WITH ZINK DIETHYL-DITHIOCARBAMIC ACID
中島 一
1
H. Nakasima.
1
1久留米大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Kurume Universty School of Medicine.
pp.592-596
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202002
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近年抗白癬菌剤にたいする研究は多数を極め,多くの抗白癬菌剤を見る様になつた。我々もその研究の一端を荷い種々の抗白癬剤について治療学的研究を行つている。
先に京大薬学科高木博士の創製されたヂエチールヂチオカルバミン酸亜鉛を主剤とする強力ベネクサンが皮膚真菌症にすぐれた効果をあらわす事を知り多数の症例に使用し,その臨床成績の一部はすでに報告したごとくである。強力ベネクナンとは高木博士がEldupont会社の化学者により製造されたヂメチールヂチオカルバミン酸亜鉛がD.D.Tとの併用により菌類の撲滅に有効なことより,ヂチオカルバミン酸亜鉛,ヂメチルヂチオカルバミン酸亜鉛,ヂエチールヂチオカルバミン酸亜鉛の三種の形に試製され,山本教授のもとにおいて臨床実験を行なわれた結果ヂエチールヂチオカルバミン酸亜鉛が皮膚真菌症の治療に最も有効なことがわかつたので,このヂエチールヂチナカルバミン酸亜鉛を主成分として作製されたものである。その処方は下に示すごとくである(処方1)。然るに本回は更にその基剤に考案を加えその臨床成績の良好なるを認めたのでその結果を報告する(処方2)。
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