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海外トピツクス
pp.161-162
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201899
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寒冷アレルギーに対する新知見
1933年Wintrob et Buellは採血直後沈降する血清蛋白の存在する多発性骨髄腫患者の1例を報告した。其後寒冷により沈降する蛋白分屑(Cryoprotein)が種々の疾患で証明された。寒冷による異常な皮膚の蒼白,チアノーゼ,皮斑,血行障碍等が多発性骨髄腫,白血病,気管支拡張症,リウマチ熱,リウマチ様関節炎等の患者に又はこれ等疾患と関係なく現われることも知られていた。上述の如き寒冷に対する異常な皮膚の臨床症状の発生機序はCryoproteinの存在又は免疫現象により説明されていた。Wirtschafteret al.は蕁麻疹,皮斑,皮膚掻痒症等の症状を呈する寒冷アレルギー患者に於てCryoproteinemiaを証明した。その症例は次の如くである。42歳の男子:主訴は寒冷に曝された後の全身性掻痒症並に発疹。患者は1944年アラスカで従軍中10〜15分寒冷に曝された後に全身性掻痒症並に腕,脚,足背に中央部が蒼白を呈した膨疹を生じ,温暖な部屋に入ると15〜20分で症状の消失するのに気付いた。姶めは症状が軽度であつたが,漸次増悪し,除隊後は野外作業不能となつた。既往にはアレルギー性疾患なし。体格,栄養良好。血圧114〜82。脈膊正常。尿所見異常なし。
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