Japanese
English
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精虫侵襲症の1例について
A CASE OF SPERMA INVASION
岡村 昌一
1
,
別所 睦美
1
,
馬場 幸夫
1
Shoichi Okamura
1
,
Mutsumi Bessho
1
,
Yukio Baba
1
1大阪府立羽曳野病院
1The Habikino Hospital, Osaka
pp.43-45
発行日 1957年1月1日
Published Date 1957/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201869
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精虫侵襲症Sperma Invasionは精虫が細精管の間質に侵出して生ずるもので,組織学的に証明し得るものである。Orsosが初めて報告して以来外国では現在までに相当多くの報告例があり,我国では中内氏(1944)の学会報告例や赤崎氏の経験例があり,阿部氏が日本泌尿器学会々誌42巻6号に1例を記載し,大森,斎藤,伊藤,大黒,田村,長谷の諸氏が学会に発表しており,阿部,向山,田村,長谷氏の雑誌記載例がある。その原因については外傷説,結核合併説などに関係してHyaluronidaseによる酵素説が唱えられている。我々の病院で最近,臨床的に結核性副睾丸炎の疑いで副睾丸を摘出したが,結核性病変は認めず,組織学的に本症を証明したので報告する。近時,本症の報告例は増加しつゝあるが,本例は全然外的刺戟を自覚せず,又,結核その他の疾患を合併せずに原因不明のまゝ発生した事に興味がある。
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