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Monobenzylether of hydroquinone及びDibenzylether of hydroquinoneの臨床治験
西浦 環
1
,
村上 郁夫
1
,
米沢 誠之
1
1徳島大学医部皮膚科教室
pp.1032-1035
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201843
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Hydroquinoneによつて皮膚色素形域が抑制される事は中条氏の黒出目金に関する実験でも知られる所であつたが,1940年にOliver,Schwartza.Warrenがゴム工場の職業性白斑の原因がゴムの酸化防止剤Agerit Alba──Monobenzyletherof hydroquinone(以下MEHと略す),Dibenzylether of hydroquinone(以下DEHと略す)及びBenzylchlorideを含む──中のMEHによるものであると報告して以来,人体の色素形成抑制剤としてMEHが使用されるに至つた。爾後Denton,Lerner and Fitzpatrick片岡,大森,馬場氏等は木剤を用いて色素増強の治療効果を報告している。MEHは試験管内に於いてDopa酸化は抑制しないが皮膚に用いた場合には強い肌色作用を示し,その毒性も余り強くないといわれる。
我々は昭和29年5月以来教室に於て試作したMEH及びDEHの2,5,10及び20%軟膏と,その後小野薬品提供の5%MEH軟膏を当科外来及び入院患者87名に使用したのでその結果を報告する。
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