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Monobenzyl ether of hydrcquinoneに依る色素沈着症治験
広川 浩一
1
1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
pp.117-118
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201634
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1939年Oliver等1)は,皮革工場其の他の労働者に発生した,ゴム手袋使用に因ると考えられる職業性白斑を報告し,それが抗酸化剤としてゴムに含まれるmonobenzyl ether of hydroquinoneHO-O—CH2に帰因することを確かめた。翌1940年彼等2)はその詳細を発表し,色素脱失の機序は恐らく,チロジンからメラニンが生成される過程に対するこの物質の作用にあるであろうと述べた。1952年Denton等5)はmo-nobenzyl ether of hydroquinoneはin vitroではメラニン形成抑制作用を証しないが,臨床的には色素沈着症に対して疑いなく有効とし,次でForman6),Lerner等7)はこれを各種色素沈着症に使用して優れた成績を挙げ,本邦に於ても既に片岡等8),宮林9),大森等10)などの報告がある。
著者も亦本剤を太田氏母斑,その他2,3の色素沈着症に試みてかなりの好結果を得たので,茲に報告する。
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