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皮膚疾患に対するチヨコラA・Dザーネ使用経験
江本 侃一
1
,
村上 郁夫
1
,
和田 満馬
1
1徳島大学医学部皮膚科教室
pp.650-655
発行日 1956年9月1日
Published Date 1956/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201772
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まえがき
ビタミンAが表皮細胞の機能と接密に関係し,その欠乏が皮膚の角化異常を起すことはFrazier & Hu(1931)により明らかにされた。即ちV. A欠乏食による子供の皮膚の乾燥,粗慥化,成人皮膚の毛嚢性角化増殖が認められて以来,臨床的にもVAの毛孔性紅色粃糠疹(Brun-sting,Steard,1941),ある種の尋常痤瘡(Starnfjord,1942),ダリエー病(Peck,Glick,Sobotka,1943:Leitner & Moorc,1948),尋常性痤瘡及び老人性角化症(Savitt & Obermeyer,1950)への効果が報告され,吾国でも毛孔性角化症,痤瘡様発疹,掌踪角化症に対する治効が安田(1948),青木(1950),村田(1951),山田(1951),出来(1950)氏等により発生された。その後急性及び慢性湿疹(菊池,1953),Wilson-Brocq紅皮症(大村1954),角化症ないしその類似症(樋口 1953,1955,横山 1953,堀口 1953,横関 1954,岩崎 1952)などへの治験に接するが,以上はいづれもVAの注射,内服による報告であつた。
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