Japanese
English
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ビタミンADE軟膏(チヨコラザーネ)による皮膚疾患の治験
TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES WITH VITAMIN A.D.E. OINTMENT (CHOCORA SAHNE).
加藤 安彦
1
Yasuhiko KATO
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama University School of medicine.
pp.995-997
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202361
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まえがき
19世紀の後半に蛋白質の研究が盛んとなり,20世紀初期にかけて家畜飼料の研究から純粋な蛋白質,脂質,糖質,必要な無機物以外にビタミンが動物の完全な発育に必須であることが発見されてから今日迄すでに多数のビタミン類が発見,抽出,合成され輝かしい結果をもたらしたことは今更説くまでもないが,皮膚疾患に対する治療に関しても又既に多くの業績がみられる。
脂溶性ビタミンのうち特に皮膚に関係の深いといわれるビタミンA (以下V.Aと略)欠乏については1917年にMc Collum and Simmondsが角膜乾燥症を記載し,1925年にWolbach and HoweがV.A欠乏初期にシロネズミの腟粘膜の角化が著明に現われることを認めたとされ1),更に1931年にFrazier and HuがV.A欠乏による皮膚病変,特に角化にV.Aが重要な役割を果しているとの報告以来長足の進歩を遂げたといわれ2),毛孔性紅色粃糠疹,ダリエー氏病,魚鱗癬,先天性魚鱗癬様紅皮症等一連の角化異常症に対し今日広く使用せられている。
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