Japanese
English
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皮膚疾患に対するコルトマイシン軟膏の使用経験
CLINICAL APPLICATIONS OF CORTOMYCIN OINTMENT TO SKIN DISEASES
野崎 良男
1
,
西東 敏雄
1
Yoshio NOZAKI
1
,
Toshio SAITO
1
1札幌逓信病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermato Urology, Sapporo Teishin Hospital
pp.371-373
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202528
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近時副腎皮質ホルモン剤の内服,注射は各種疾患に偉効を示しているが皮膚疾患にも甚だ有効で,これを軟膏として外川しても著効のある事は諸家の報告に依り明らかである,特に湿疹群,援触性皮膚炎等に有効であるがコーチゾンの投与,局所使用に依り感染症が偶発されたと言う報告が多数あり,「今北等はハイドロコーチゾンの局所注射時には,其の部の化膿菌に対する抵抗力が著しく低下する故注射時の消毒を厳重にし,掻痒に依る掻破を防止するため抗ヒスタミン剤の併用をすすめて居り」中村等もコーチゾンに依る個体の感染抵抗性の減弱を認めている。コーチゾン軟膏の局所使用に就ても局所の細菌感染に対する抵抗減弱が考えられ,殊に池永等の言うが如く,コーチゾン軟膏の効果が少ない湿潤性の湿疹に於ては細菌感染が最も杞憂されるのでは無いかと考えられる。この細菌感染を予防し,既に感染があればこれを積極的に消退せしめてコーチゾン軟膏の抗炎作用と相俟つて一層秀れた治療効果を期待出来ることが出来れば非常に好都合であり,我々はハイドロコーチゾンと抗生物質Neomycinを含有するコルトマイシン軟膏を使用する機会を得たので,この使用経験を報告する。
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