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皮膚科領域に於ける抗ヒスタミン剤ビタミンB,メチオニン合併剤の治験
広渡 隆治
1
,
雀部 将
1
1岡山大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.99-103
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201629
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I.緒言
最近皮膚疾患とくに広義のアレルギー性と見做される皮膚疾患の原因を内因的因子,主として肝機能,蛋白代謝等の不全と結びつけて考える傾向が強く,従つてその治療法も単に局所的よりも全身療法に切換えつつある現状である。こうした新らしいIdeaにもとずいて抗ヒスタミン剤SH系化合物,非特異療法剤,ビタミンB1,B2,B6,B12あるいはB複合体,C等,又これと肝機能亢進乃至解毒との関聯においてメチオニン,グロンサンその他対症的にカルシウム剤等が応用されていたのであるが,われわれが日常遭遇する各種の皮膚疾患に,いずれの藥剤が最有効であるか明確な適応を選択することは容易でなく,臨床上判断に迷う場合が少くないのである。従つて2種,又はそれ以上の藥剤を同時に使用する必要に迫られるわけであるが,たまたまこの目的で数種藥剤を合理的に組合せて製られたBisuoninは,極めてわれわれの関心をひくものがあり,これを皮膚科領域において試用する機会をえ,見るべき結果をえたので報告する。
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