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海外トピツクス
pp.162-163
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201624
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E.L現象陽性の意義
L.E現象が見出されたため系統的なエリテマトーデスの診断が容易となった。このL.E現象陽性の特異性を強調する人にはL.E現象の見られるリユウマチ様疾患はエリテマトーデスの一つの顕現形式であると唱えている。しかし他方藥物アレルギーでも本現象が陽性との報告が現われ,L.E現象の特異性に疑問を抱く人もある。茲に於てL.E現象陽性の意義の再検討の必要を感じ,Weiss etSwiftの論文(A.M.A.Arch.Dermat.et Syph.72,103,1955)を紹介することにする。L.E.細胞検査法としては今日一般にZimmgr-Hargravesの2時間凝血法の変法のMagath et Winkle法とBarnes-Moffatt法とがあるが,本論丈では主としてMagath et Winkle法を用いた。
判定法としては,混乱を避けるため特有なL.E細胞1〜2個以上存在する時にのみL.E現象陽性とし,tartcell,clumping,rosette,nucleophagocytosis等のみがある時は(±)とし,エリテマトーデスの疑の下に更に精しく検査し特有なL.E細胞の発見に努力する。尚L.E細胞以外の症状例えばγ-グロプリンの増加,血沈の亢進,蛋白尿,心臓の症状等はエリテマトーデスの疑を置くのにのみ役立ち,診断に対して決定的のものではない。
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