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副睾丸部に発生する所謂Adenomatoid tumorに就て—(附 2例の症例報告)
南 武
1
,
古川 元明
1
,
朝倉 享
2
,
小川 和夫
2
,
沢井 繁次郎
3
,
板倉 成和
3
,
荻原 謙二
3
1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
2東京慈恵会医科大学高木病理学教室
3沢井病院
pp.100-105
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201612
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I.緒言
副睾丸に原発する腫瘍は極めて稀なものである。内外の報告例を見るとLongo 1951年迄に約140例を集めている。本邦に於いては我々の例を加えても20例が報告されているに過ぎない。
副丸腫瘍の中にAdenomatoid Tumorと呼ばれる良性の腫瘍があり,50〜60%を占め,良性の副睾丸腫瘍の大部分は,この腫瘍である。Adenomatoid Tumorは過去に於いては非常に多くの名称で呼ばれて来た。その主なものを列挙してみると,adenoma・lymphangioma・adenofibroma・adenomatoid tumor・mesothelioma・adenomyoma・lymphadenoma・mixed tumor・adenocarcinoma(第1度)etc. で悪性腫瘍と診断されて来たものも少くない。臨床的には我国で多い結核性副睾丸炎と,組織学的には悪性腫瘍との鑑別上,此の腫瘍の存在と特徴を知つておくことも必要と考え,我々が最近経験した2例を報告し,いささか文献的考察を試みた。
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