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P-ニトロベンゾイルアセト醋酸エチル及び3-ノニールピラゾールの抗白癬作用に関する基礎実験
小堀 辰治
,
宇野 安雄
,
桶田 秀雄
,
油谷 政隆
,
小坂 璋吾
pp.107-117
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201613
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緒言
小菅,磯谷はどくだみHouttuynia cordata T. の有効成分であるデカノイルアセトアルデヒドの分離に成功,これが試験管内で,ある程度の抗真菌作用を示すことを確認したので,著者等はその関連化合物2)3)4)について多数の試験管内並に動物実験を施行,そのすぐれたものについて臨床実験を行つた。
先ず初めに,3-7クロロデカノイルアセトン次いでデカノイルアセトンについて臨床実験を行つたが,その効果は満足すべきものではなかつた。更に,ドデカノイルアセトンについて行つた所,その効果は前二者より優れていたが,在来の抗糸状菌性藥剤に比して未だ優秀とは云い得なかつた。その後,ニトロベンゾイルアセト醋酸エチル(D-V)4)5)及び3-ノニールピラゾール(P-1)6)が発見出来た。両者の構造式は失々次の如くで,前者は淡黄色の結晶で,アセトン,醋酸エチル,アルコールに可溶,水に不溶であり,P-Iは無色で弱いヒマシ油臭のある液体で水に難溶,アルコール,エーテル,ベンゾール,アセトン,クロロホルムには可溶である。
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