特集 皮膚泌尿器科診療の進歩〔2〕
排尿障碍の診断と治療
矢野 登
1
1三重県立大学医学部皮膚科泌尿器科
pp.1185-1191
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201579
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綜説
排尿障碍とは,排尿が正常とは異つた様相を示し円滑に遂行されない状態を意味する。而して之を排尿困難と解釈すれば,稍狭義となるが,広く排尿の異常と同様に解釈すれば,排線の異常,排尿困難,尿閉,尿失禁,遺尿症,尿量の変化,排尿痛,排尿回数の異常等を含む事となる。之等は夫々互に関連する場合も多い。余は多少記述の簡潔を期する為もあつて,排尿痛,排尿回数の異常並に遺尿症に関する事項は割愛する事とした。尚本項に属する他著者等担当の尿道狭窄,前立腺症,夜尿症,神経性膀胱障碍に就ての記述は省略又は簡略にした。以下各項に亘つて之を惹起する種々の疾病に就ての診断並に治療を述べてみよう。
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