Japanese
English
特集 子宮癌診療の進展
治療
子宮頸癌根治手術後の排尿障碍にヘキセストロールを
Use of Hexestrol on urinary disorders following radical operation for cancer of the uterine cervix
赤堀 和一郎
1
,
杉本 修
2
Waichiro Akabori
1
1神戸医科大学産婦人科学教室
2北条病院
pp.1156-1157
発行日 1959年11月25日
Published Date 1959/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202090
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
子宮頚癌根治手術後に発生する合併症の主なものに,尿路障碍と骨盤死腔炎とがある。この中後者は抗生物質の使用等によりその予防,治療に著しい進歩が見られるようになつた。しかしながら前者の尿路障碍の中でも特に排尿障碍に対しては,様々の治療法が試みられているにも拘わらず,時として非常に頑固な尿閉に悩まされる事がある。
私達が京都大学産婦人科学教室在任中にたまたまK. Richter und W. Albrich[Zbl. Gynäk.,77(12): 487(1955)]が子宮頚癌根治手術後の患者に対して,合成発情ホルモンの一種であるヘキセストロールを用いて,膀胱内圧上昇及び膀胱容量減少を来たす事を述べた文献を見出したので,このヘキセストロールの膀胱内圧上昇作用が,頚癌根治手術後の排尿障碍に対して好影響をもたらすのではないかと考えて,膀胱内圧測定等を行いながら,ヘキセストロールの投与を続けたところ,認むべき効果が得られたのみならず,色々の興味ある事実を見出した。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.