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2,3の皮膚疾患に於ける高単位ビタミンB12の治験に就て
佐渡 博
1
1京都大学医学部皮膚科教室
pp.525-528
発行日 1955年7月1日
Published Date 1955/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201461
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I. まえがき
ビタミンB12はRickes,Smith (1948)等により発見され,葉酸と共に抗悪性貧血因子として新しく登場した。併しB12に関しては肝機能,内分泌機能等の改善,体内SH基代謝に比較的重要な意義を示す事,並に抗ヒスタミン様作用がある事が其の後知られる様になり,此等に就て夫々実験的,臨床的成果が得られている。この様にB12の作用機序が明かになるに従い,悪性貧血以外にアレルギーに由来する皮膚疾患,或は肝機能,内分泌機能と密接な関連をもつ皮膚疾患の治療対称としてB12が浮び上つて来た事は当然である。私も今迄に2,3の皮膚疾患にB12(何れも低単位)を使用し多少の効果を認めて来たが,最近武田製藥より少数であるが比較的高単位のB12(500γ/cc)の提供を受けたので,2,3の皮膚疾患に試用した治験に就て簡単に述べて見ようと思う。
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