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尿管粘膜ロイコプラキーの1例
下溫湯 靖夫
1
1鹿児島県立大学医学部皮膚泌尿器科教室
pp.235-237
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201406
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上部尿路粘膜ロイコプラキーは比較的稀な疾患であるが,珍稀という程ではない。尿管はしばしば他の部位の尿路白板症に伴うて角化を起すもので,ことに腎盂白板症に於てはその26%に尿管に同様の変化を認めるもので,膀胱白板症に合併することは遙かに少い。これに反して尿管のみに限局して白板症を見ることは極めて稀で,楠教授は文献より僅かにEbstein, Hallé,Bozra,Krau-cherおよびGerlachのおのおの1例の合計5例を見出したに止まる。
さきに著者は腎結核の疑のもとに手術したら腎盂,尿管粘膜白板症であつた1例を報告したが,(本誌,6,8,昭27)今回は腎盂粘膜に変化なし,尿管粘膜のみに角化を来した症例を経験したので報告するが,本症例ほ,術前診断は左側水腎症で手術したが,尿管白板症により併発した腎水腫である事が判明した。
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