Japanese
English
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前立腺肥大症,膀胱結石を合併せる膀胱ロイコプラキーの1例
LEUKOPLAKIA OF THE BLADDER WITH PROSTATIC HYPERTROPHY AND BLADDER CALCULI : A CASE REPORT
並木 重吉
1
,
久住 治男
1
,
大島 浩太郎
2
Shigeyoshi NAMIKI
1
,
Haruo HISAZUMI
1
,
Kotaro OSHIMA
2
1国立金沢病院皮膚科泌尿器科
2金沢大学泌尿器科
1Department of Dermato-Urology, Kanazawa National Hospital
2Department of Urology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.1024-1027
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202368
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緒言
発生学的に膀胱粘膜上皮は内,中胚葉性のものであり,組織学的には原則として移行上皮より成る。しかし時にこれが移行上皮の形態,性状を失つて表皮の構造に化生した場合が,膀胱ロイコプラキーである。換言すれば粘膜の所謂表皮化生による白板形成である。
膀胱ロイコプラキーはRokitansky(1861)がCholesteatomとして発表したのが最初であり,Löwenson(1862)が文献上の第1例を報告して以来,諸家による報告が多くみられるところである。膀胱ロイコプラキーに膀胱結石が合併して来ることもあり,Rasbon(1936)の蒐集によれば,膀胱ロイコプラキー125例中12例に膀胱結石合併をみたと報告している。更に前立腺肥大症を合併せる症例は稀で,Borza(1927)が1例を報告しているのみである。我々は最近72歳の男子で,膀胱ロイコプラキー,膀胱結石,前立腺肥大症の合併症例を経験したので,茲に報告し,併せて文献的考察を行つた。
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