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海外トピックス
pp.39-41
発行日 1955年1月1日
Published Date 1955/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201353
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骨盤臟器全剔除術及び骨盤前部臟器剔陰術の還隔成績
骨盤臓器全剔除術及び骨盤前部臓器剔除術の提唱者であるBrunschwigは,現在迄既に315例(前者は202例,後者は113例)の手術経験を有し,而も術後5年以上経過したものが104例に達したので,最近之等315例についての手術成績を発表している。尚尿路の処理法として前者は主にWet colostomyを行い,尿管皮膚移植術或は廻腸を利用する人工膀胱は特殊の場合のみに,又後者では専ら尿管結腸吻合術を行つている。更に原疾患としては高度に進行した子宮癌が最も多数を占めている。以下その成績を簡単に述べる。
(1)手術死亡率 直接手術死亡(術後30日以内の死亡)は,315例中56例,即ち17.7%,在院中死亡は28例,即ち8.8%,合計手術死亡率26.6%であつた。更に之の手術死亡率と年齢との関係についてみると,明らかに年齢層の高いもの程死亡率は上昇している。之の84例の手術死亡例の原因を大別すれば,尿毒症を始めとする尿路と直接関係あつたものが13例,即ち16%,次でシヨツク(失血死を含む)が12例,即ち15%で,之は全手術例の4%を占めている。其の他腸瘻,腹膜炎,敗血症等があげられる。
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