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遺傳性掌蹠角化症に就いて
吉田 良夫
1
1東北大學醫學部皮膚科教室
pp.372-375
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200771
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1880年Thostによつてerbliche Ichthyosis pa-lmaris et plantaris corneaと命名され,1883年Unnaによつて魚鱗癬と獨立した疾患としてKe-ratoma palmare et plantare hereditariumの名を提唱された本症の報告は我が國に於ても1901年の弘田の第1例に始り,今や100例以上にも達した。爲に本症例の報告はその魅力を奪われ最近は1,2の異型に關して或はビタミンAによる皮膚角化症の治療と關連して僅かに論述されているに過ぎない。先に遠山—大森も述べており,余も又痛感していることは人類遺傳性皮縄疾患の研究には多數の症例の能うる限り精確な報告の蓄積が必要であるということである。この意味に於て余は我教室近年の未發表(一部家系内同一症について伊藤實著遣傳皮膚病學でふれてある例をも含む)本症例21例を摘録表示し(第1表),その3例につき稍々詳述し且その多彩な表現型について些か考究しようと思う。
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