特集 ホルモン研究の進歩
癌とホルモン
楠 隆光
1
1新潟大學
pp.821-827
発行日 1953年11月20日
Published Date 1953/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201099
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癌とホルモンとの關係を考えて見ると,我々は次の二つの事に氣付くのである。その第1は内分泌腺に發生した癌のあるものは,そのホルモンを分泌する性質を保持しているために,その内分泌腺の機能亢進或は機能異常の状態を來すことである。これは内分泌腺に發生した癌の極めて興味ある一面で,臨床的にはその診断及び豫後の判定上大變役立つものである。その第2はホルモンがその直接作用する臓器のinternal carcinogenicenvironment (Cramer and Horning)に影響がある點で,換言すればあるホルモンは特定臓器の癌發生を誘發する作用があることである。私はここに,これ等の癌とホルモンとの關係に就て,主として直接に泌尿器科に關聯している方面から述べて見たい。
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