特集 治療最新のトピックス
腫瘍
体癌の高用量ホルモン療法
野沢 志朗
1
,
宇田川 康博
1
Shiro Nozawa
1
,
Yasuhiro Udagawa
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1194-1195
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208142
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Ⅰ.概念
体癌の治療法は手術療法が原則的に行われているが,進行癌,再発癌などの根治手術不能例には放射線療法,化学療法と共に黄体ホルモン療法が行われ,その効果が認められている。黄体ホルモン療法はゲスターゲンの抗エストロゲン作用を期待して,Kistner (1959)1),Kelleyら(1961)2)が子宮内膜増殖症及び体癌の治療に導入し,その有効性を報告して以来,欧米を中心に多くの検討がなされ,体癌の約30〜50%に客観的有効性が認められている。わが国では1982年から婦人科悪性腫瘍化学療法研究会が中心となって,強力なゲスターゲン活性を示すMedroxyprogesterone acetate (MPA)の高用量経口投与の臨床効果を全国規模で検討した結果,23.6%の奏効率が得られ3),その有用性が期待されてきた。
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