研究
癌とホルモン—子宮癌発生を中心として
鈴木 正彦
1
,
本多 啓
1
Masahiko Suzuki
1
1新潟大学医学部産婦人科教室
pp.985-990
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203812
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
腫瘍の発生機序におけるhormoneの役割は近時最も注目されている重要な研究テーマの一つである。子宮癌の発生ならびに増殖とsteroid hor—moneとの関連については,子宮がsteroid hor—moneの最も直接的なtarget organであることから古来数多くの実験的および臨床的な検索が行なわれてきたが,その間の作用機序と意義については今日なお十分に明らかにされたとはいえない。
実験的あるいは臨床的にhormoneと癌との関連を比較的明確に示すのは,hormone支配下の臓器の中でも乳癌や前立腺癌がよく知られており,それらについてはそのhormone依存性に基づいた内分泌療法が確立され,臨床的に重要な治療法の一つとなつているが,子宮癌においては,その発生増殖の面,さらには治療の面での内分泌学的探求ははなはだ不十分である。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.