特集 ホルモン研究の進歩
ACTHについて
小堀 辰治
1
1東京遞信病院皮膚科
pp.783-796
発行日 1953年11月20日
Published Date 1953/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201095
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I.まえがき
脳下垂膿前葉副腎皮質系ホルモンは皮膚に對して強い影響を及ぼすことは最早疑うべきもない事實である。この系統に屬する脳下垂膿前葉ホルモンはACTH,即ちAdrenocorticotropic Ho-rmoneと呼ばれる。ACTHの刺戟によつて副腎皮質から分泌せられるホルモンはハイドロコーチゾンと一般に理解せられる。
このACTHによつて正常皮膚並びに病的皮膚の受ける變化は,我々が今までどの藥劑を使用しても嘗てみられなかつた急速且顯著なもので,誠に瞠目に價するものがある。しかし,その作用機轉となると尚不明の點が多く,又,その適應となる疾患についても學者間に於て相當のひらきがある。
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