今月の主題 副腎
技術解説
ACTHのイムノアッセイ
大島 一洋
1
,
佐藤 光代
1
Ichiyo OHSHIMA
1
,
Mitsuyo SATOH
1
1徳島大学医学部付属病院検査部
pp.512-520
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は下垂体前葉で産生・分泌され,体液を介して副腎皮質に作用し,副腎皮質ホルモンの合成・分泌を刺激する.ACTHの分泌はストレス,日内リズムおよびネガティブフィードバック機構によって調節される.近年,種々の分泌調節因子が明らかにされるとともにACTHの測定法が確立され,血漿ACTHを指標として視床下部—下垂体—副腎皮質系機能検査が可能となった.
血漿ACTHの測定はバイオアッセイ,イムノアッセイ,レセプターアッセイによって行われるが,多数の検体が処理でき,操作の簡便なラジオイムノアッセイ(RIA)が臨床検査に優れている.ACTHのRIAは抗体の特異性によってACTHと抗体との結合部位が異なると,測定値に差異がみられたり,生物学的活性と免疫学的活性に解離を生ずることがある.このことは市販されている三種のACTH測定キット間にもみられるので,注意しなければならない.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.