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泌尿器科神經症の尾動脈毬ペルカミン浸潤療法
東福寺 英之
1
,
中西 淳朗
1
1慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.678-681
発行日 1953年11月1日
Published Date 1953/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201075
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自律神經系に關する研究は廿世紀に入り,各國學者の努力に依り精細極まりない分野となつたが更に研究さるべき領域の一つとして尾動脈毬がある。昭和25年藤田(東大解剖)は,尾動脈毬外科を提唱し,頸動脈毬と共に研究する必要性につき述べたが,その後外科,眼科領域に於いて微かな臨床成績の發表があるのみで,皮膚科泌尿器科領域では未だ耳新しい感があるので,茲に簡單に紹介し併せて我々の臨床成績について述べる。
解剖;尾動脈毬は,H.Iuschkaが發見し,1860年に之に關する原著を發行し,解剖學的記載を主とし 一部その病理學的變化にと言及して居る。爾來獨佛の解剖學,組織學成書には記載される。Rauber-Kopshの解剖學第2版第3巻には.發見者の原圖を轉載している。(第1圖)毬の位置等に關しては,藤田,新島,桑原等が記載して居るので茲では述べない。本毬と血管との關係を,Schuhmacherは一種の動靜脈吻合であると云いv.Walkerは組織學的に之を認め,森永はレ線像上で追求し,窪田は第2圖の如き模型圖を作成した。本毬と神經との關係は,窪田によると,一本の交感神經線維と二本の知覺神經線維が分布して居ると考えられ,この點が頸動脈毬と異なると云う。
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