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サルバルサン紫斑病の1例
坂本 邦樹
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1大阪大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.370-371
発行日 1953年6月1日
Published Date 1953/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200990
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砒素劑驅梅療法によつて血液成分の變化を來す副作用としては,出血性紫斑病,顯粒細胞減少症再生不能性貧血が知られている。いずれも稀なるもので,例えばCombesは4.000回のサリバルナン注射後初めて1例の出血性紫斑病を見,Cole等は副作用患者338例中僅か2例に出血性紫斑病を見たのみである。而してその病型は症候性血小板減少症に屬し,特有の皮下溢血斑を獲し,粘膜出血として口腟特に歯齦出血,鼻出血を來し,内臓出血としては子宮,腸,腎,關節,網膜,肺等の出血が報告されている。ここに報告せんとする症例は主として皮下及び粘膜下の出血と血尿を見たものである。
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