特集 性病
性病予防法解説
千本木 義久
1
,
川崎 治夫
1
1東京都衞生局豫防課性病課
pp.659-663
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200858
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はしがき
最近の統計によれば性病患者は逐年減少の傾向を示している。若しこの傾向が事實であるとすれば公衆衛生上まことに喜ばしい現象と謂わなければたらない。果してこれは事實であるだろうか。誰しも一應は疑問を持つものである。この頃醫師や患者達の間で豫防法による屆出を厄介視しているものが多いそうである。その原因は,この屆出があることによつて,患者も醫師もつまらぬ迷惑がかゝつたり,色々物議を釀したりすることにあるらしい。これは甚だ遺憾なととである。併しその責の大半は行政擔當者の法運螢に對する未熟と不慣にあるともいわれ,一概に患者の無理解,醫師の協力不足とは言えないものがある。本稿は法の趣旨を明らかにして豫防業務に從事している者,治療専門に當つている醫師の理解を求め兩者相携えて,性病の防止駆逐につとめたく,敢えてつまらぬ一文を草したものである。
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