厚生だより
性病予防週間にあたって
A・M
pp.543
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203954
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昭和23,4年頃40万人以上の届出患者数のあった性病も,その後減少し,とくに昭和32年の売春防止法の制定以降は感染機会の減少もあってか,その傾向に拍車をかけた観があった.昭和39年には梅毒5540名,りん病4041名,総性病患者数9540名と戦後最低の数字を記録した.ところが昭和36年頃より早期顕症梅毒の再出現が報告され,届出患者の内容から見ても20歳台の男子の初期および二期の梅毒罹患率は36年以降急上昇を続けている.届出総性病患者数も昭和40年以降増加傾向に転じた.
近年におけるような性病の様相の変化に対処するため,昭和40年衛生教育推進のための重点地区対策,41年の性病予防法の一部改正,さらに42年より性病予防思想普及の民間団体である三悪追放協会への助成など諸施策が進められてきた.昭和41年における性病予防法の一部改正の主なる点は,第1に医師による届出制度の合則化,第2に婚姻時における梅毒血清反応検査の義務づけ,および婚姻時,妊娠時の血清反応検査に要する費用の公費負担であった.
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