特集 性病
淋菌の培養法
山本 弘
1
,
石原 藤太郎
1
1大阪遞信病院泌尿器科
pp.626-631
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200851
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緒言
1885年Bummによつて淋菌の純培養が得られて以來,淋菌の培養法に就いては數多くの方法が考案され,Handbuch der Pathogenen Mikroo rganismen1)其他1,2の細菌學書2)3)を繙いてその培養基乃至培養法の記載の夥しさに驚くのである。我國に於ても亦幾多の文献4)−36)が現れているが,竹内30)は從來の培養基を比較検討して,犢肉水寒天(pH7.4〜7.6)に入血液1/4量を加えたものが最良であると云う結論に達した。斯くして我國に於ては,材料取得の難易,培地調製法の繁簡等の關係から所謂「血液寒天」即「普通寒天培地」に血液を加えたものが最も廣く使用されて來た。而も之が良好なる培養基でないのは周知の事であり,より優れた培養基の出現が要望されていたのである。著者の1人石原47)は,數年前より夙に此の點に着目して遂に昭和25年性病誌上に淋菌の1新培養法を發表したのであるが,其後相次いて種々の新しい優秀なる實用的培養法が報告されるに到つた。
我々は此の與えられた主題の下に,之等新培養法を紹介すると共に,淋菌培養上の諸問題に就き2,3検討を試み度いと思う。
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